160510 明けまして音楽と映画。

明けましてどころではなかった、2016 GW明けましておめでとうございます。ログインできなくなって早半年、いかがお過ごしでしょうか。ば、馬鹿じゃないの……ようやく復活できたのでやってまいりました。ここ、見てる人いるのか?

夏はレデオさんが来日とのことで、サマ~に参加しようかなーと思っています。フジにはSigur Rosが来るのだなぁ。フジでSigur Rosとかそれこそ何年ぶりだろう!こちらも見たいのですが、今年はパスの予感……年々足が重たくなるのは年齢のせいなんだろうかと思ったりもするけど、環境が変わってないから単に接点の問題だろうな。ちなみに夏みけも申し込んでおりません。活動はしばらくお休みになってしまいそうです。夏に見たら変わるかしら。俺たちのこりんちゃんは元気かしら。真夏のこりんちゃんにうちわ(ジ○ニーズ仕様のやつ)を振りたい!とこれだけ思っているのは、日本の中でもわたしだけなのではないかしら!!ジャスティス・フォーエバー……!アルバムも出るのかなという感じですね。楽しみです。

ライブも全然行けてないのだけど、近々行くのは月末のM83。ようやく何故か今来日!ライブ自体が久々なせいもあるけど、とっても楽しみにしています。誰か行く人いるかな?

過去のGW明けメモ(ていうか2個前の…おいおい)見てたら映画ポストしてたので、唐突に最近見た映画寸評も置いておきます。ほぼ自分用だ。

「ブリッジ・オブ・スパイ」
なんの気なしに滑り込んで見たら、思いのほか良かったスピルバーグ作品。第2次大戦下、ソ連側スパイとアメリカ側スパイの交換のため、ソ連側スパイのアベル(マーク・ライランス)と、その弁護士についたドノヴァン(トム・ハンクス)の物語。

移民大国アメリカにおける「平等」や「正当性」の権利を真っ当から利用するアベルと、「他国のスパイの弁護人」っていう設定がまず面白かったんですが、マーク・ライランスが全然喋らないし表情もあまり変えないのにも関わらず凄く表情と感情が豊かな人で、今まできちんと知らなかったことをたいへん悔しく思いました。こんな役者さんがいたのか!(と思ったら舞台で数々受賞してらっしゃるんですね、納得)  人の命の重さは変わらないと頭では思っていても、現実では偏りを見せてしまうし、演技でもそう思えてしまう。アベルは利用して、ドノバンがわだかまりつつも真摯でいて、最後同じ地面に立ち同じ方向を見て踏み出したときに、もうそれ以上は2人の間が離れていくだけなこと、戻るべきソ連側の車に押し込められたアベルの背中が小さくて泣ける。

「キャロル」
作品上キャロルが圧倒的にキラキラした魅力がないといけないキャラクターに仕上げたと思うけど、それにしても演じたケイトさま、あんなキラキラはなかなか出せるもんではない。ルーニー・マーラちゃんの前後変貌っぷりも素晴らしかった~。2人がお互いに恋に落ちる(まさに「恋に落ちる」て表現でした)けど、落ち方と感覚の違いがおもしろい。それは経験や年齢の差、立場の差かもしれない。個人的にはキャロルとテレーズが最初に食事をした場面、日本語では「あなた(テレーズ)は天から落ちてきたようだわ」と小さく呟くけど、テレーズにストンと落ちてしまって、かつそれに動揺しているようでもあるキャロルが凄く良かった。あと音楽とカメラワーク、遠巻きに映す感じがとても好きです。

「サウルの息子」
こちらも第2次大戦下、収容所でユダヤ人虐殺を行ったゾンダーコマンドを描いたハンガリー映画。収容所で殺された人間たちを処理するゾンダーコマンドがサウルなわけなんだけど、もう感情とか善悪とかじゃなくて「処理」なんだよね。そんななか収容所で死んだ息子?を見つけて、見つけたけど感情が表に出なくなってしまっていて(たように思えた)、だけどきちんと埋葬してやりたくてもがいて、もがいて、ていう。息子の顔もほとんど出てこなく、淡々と手持ち長回しでサウルの表情を捉えるんだけど、閉塞感と孤独とドラマじゃない現実というか、心はざらっと乾ききったような、足元は腐った水が染み込んだ服のにおいのような……。これが歴史のちっぽけな一部という現実と、その影が深すぎてつらい。幸福を描いては、望んでは、残るのは絶望だ。それが戦争の現実だ。というような。

「レヴェナント」
毎回この話題になると一丸になる感のある賞レース、レオおめでとう!イリャニトゥ作品は毎回モヤモヤしてるのかなんなのかわからないまま「えらいもんを見てしまった…」感を抱えて劇場を出てくるんですが(…)、レヴェナントは割とスッキリしてましたね。「復讐と、それによって何が起きるのか」ていうわかりやすい題材だったからだろうか。そう思うとイリャニトゥっていうか、レオというか、本作についてはルベツキ(撮影監督)が凄すぎた……という感じもします。

死んだ息子と生きてる親の肌質の差の表現が凄かったな。冷たいから表面が凍って霜が降りてるんだけど、あれはメイクさんの技量というか。イリャニトゥ作品で一酸化炭素中毒死した人間の肌質もやばかったの思い出した。同じ人なのかしら。

「スポットライト」
ボストンタイムズ社のスクープ「スポットライト」で、カトリック教会のスキャンダルを描いた物語。カトリック教会っていう世界を股に掛けているもの、信仰や信条であり支え、そういった大きなものが、スポットライトチームのあの小さな部屋で大きく揺れ動いていく対比とか、心情の揺れみたいなものが真摯に描かれていて、とても良かった。

ボストンてアメリカの中でも割とリベラルな感じがするけど(実際のところはわからないけれど)、やっぱり宗教って言う根底に根付いたものって人によって程度は違えど「信じている・信じたいもの」だと思うんですよね。アメリカという移民国家ていう面も影響しているかもしれない。心のよりどころというと大げさに聞こえるかもしれないけど、支えであり教えというか。特に映画で描かれていたように、貧困に暮らすカトリックの子供たちにとってはそれが世界のひとつだと思うし、だからこそ現実がより残酷に感じた。「(例えそれが過ちだと)わかっていても信じていたい」っていうのは凄く人間らしい愚かさであり愛すべきところのひとつだと思うけど、だからこそ認めたり発言したりするのは非常に苦しいと思う。現実的に起こっている事実を付け合せて描くっていうのは、地元に根付いてかつ権力あるメディアがやることに意味があったようにも思うし、それでいてチームのひとりひとりが「一個人として、人間として」わだかまりを抱えている描写も、凄く人間らしくて良かったです。ラファロさんのキャラクターの、一見にして子供っぽいような純真さというか熱さ笑、あの陽気な感じは救われますね。納得のオスカー作品賞。

あと音楽!ハワード・ショアなんですね。良かった。

「JOY」
アイデア商品の発明で成功した実在の主婦ジョイの物語、主演はジェニファー・ローレンス。これはね~個人的にはあんまりスッキリしなかったなーというのが正直な感想。家族や仕事のために自分を犠牲にして鬱憤抱えたジョイが、ある日の発明で奮闘していくんだけど、そんな状況なのでジョイのストレスフルな感じがひしひしと伝わってくる笑。そういう奮闘のイライラ感はいいんですけど、ロスの交渉行くところとか、なぜその容貌容姿にした?というか…いきなり別の作品見てるみたいになっちゃって、「あれ?」て成ってしまった。デニーロにブラッドリー・クーパーと出演者も豪華だったけど、いまいち物語に乗り切れない感じもした。なんだろうなぁ、それぞれの関係性が希薄で唐突に感じたからだろうか。わたしが疲れていたからだろうか。ウーン!

「ズーランダー2」
当初ベネディクト・カンバーバッチ演じるオールちゃんの話題で持ちきりだったけど、その印象ばかりでいたらファッション業界からの参戦組が豪華で豪華で仰け反った。それにしてもおバカ映画というか、なんか見てるときも見終わったあとも良くも悪くも「ヤバイ」しか出てこないの凄くないですか?本作中ひとつキーと思うんだけど、いわゆる「ナウい」部分が「ナウく」なかったのがいまいち乗り切れない部分なんじゃないかなと思う。でも金かけてすっ転んでる感じ、嫌いじゃないよ(ここで親指を突き出す)。これにもブラザー・グリムズビーにも出てるペネロペ先輩をそろそろ崇拝せざるを得ない。

「グランドフィナーレ」
引退した名音楽家が、人生の終わりの段階になり考える愛や家族、友人たち、自分のこと。と描くと陳腐なんですが、何かとシュールだったり一筋縄で行かないのが本作でした。父娘モノに弱いのですが、第3者が(に)語るシチュエーションというのも凄く好きで、マイケル・ケイン演じる主人公フレッドが、自作の名曲の指揮を二度としない理由を語るところで泣いてしまった……。かたちの変わらない愛情、立ち止まっている愛情、歩き出そうとしない娘(レイチェル・ワイズ)の父への苛立ち、なんとも人間くさい面倒くさい限りなんですが、映像と音楽の美しさだったり、ポール・ダノ演じる青年の不穏チャラい感じ(笑、ダノすっごく良かったです!)、不思議と引き込まれる。自然の音を指揮するケイン御大の少しファンタジックな演出も、変に浮いた感じとかもなくて良かったな。ゆっくり良い音楽が聴きたくなります。

「オデッセイ」
お・い・も!お・い・も!あんなにマット・デイモンが可愛く見える日が来るとは。最低で最高の音楽センスのコマンダー最高~っ!!ジェシカ・チャステインが大好きです。凄く楽しかった。



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